【レビュー】呪術廻戦 〜呪術廻戦は何が面白いのか〜

TVアニメ「呪術廻戦」公式サイト

今回は、呪術廻戦の原作とアニメ放送分まで見たので、

簡単にレビューを書いていこうと思います。

基本的にネタバレははしない方向で、

この作品を知らない方にもわかるように記載していきますので、

よろしければお付き合いください。

(原作コミックスを読んだ内容ベースで書いていきます)

 

作品のこれまでの経歴と詳細

呪術廻戦は、芥見下々氏の作品で週刊少年ジャンプより2018年の14号から連載。

現在では原作コミックスが累計1000万部を突破し、

アニメ放送もされているジャンプの人気作品の一つです。

 

元々は、ジャンプGIGA2017 vol.1から2017 vol.4まで連載されていた東京都立呪術高等専門学校』をベースとして連載されるに至りました。

現在は、原作コミック1〜13巻+0巻が発売されています。

本編と違い0巻は読まれないことが多々あるようですが、

0巻が未読では本編の内容が分からなくなることがあるので0巻は読んでおくことをお勧めします。

 

作品の概要と設定

舞台は現代の日本。

この作品は「呪い」がテーマになっていて、

呪いが具象化した存在である『呪霊』と呪術師との戦いが描かれています。

呪霊」は通常はみることができず、死の淵にたった人間や呪力という呪いの力を扱える特殊な人間だけがみることができる。通常の攻撃方法では倒すことはできず、

呪いの力を使ってのみ倒すことができる存在として描かれています。

 

主人公(虎杖悠仁)は常人離れした身体能力をもっているということ以外

普通の高校1年生として生活していました。

ある日、虎杖悠仁が特急呪物(すごい呪いのこ持った物)を偶然拾い

学校の先輩に預けてしまいます。

その後、預けられた先輩の手により特急呪物の封印が解かれ

特急呪物を奪うために現れた呪霊に襲われてしまいます。

虎杖悠仁は状況を打開するため、

特急呪物を体内に取り込むことで呪霊を倒しますが

呪術師しに捕らえられ呪物を宿す危険な者として死刑を宣告されることになります。

しかし、特級呪術師の五条悟によりある提案がされます。

それは、いますぐ刑を執行するか、特急呪物を全て集め取り込んだ上で死刑にされるかというものでした。

虎杖悠仁は、迷いの末全ての特急呪物を全て集めることを選択。

仲間と共に特急呪物を集めていくというのがこの作品の主な流れになります。

 

呪霊に負けても死、苦難の末目的を達成することができても死

死ぬことを定められてしまった主人公の物語。

ダークな世界観が好きな方にぜひお勧めしたい一作です!!

 

 

作品の魅力

この作品の面白さは、物語の展開の速さだと思います。

内容が薄かったり、手抜きという意味では決してありません。

通常の作品であればじっくり掘り下げ、

肉付けした上で話を展開していくような内容(主人公の苦悩など)を

この作品ではなんと1ページにも満たないコマ数、2、3コマで済ませてしまいます。

それ故にダラダラとした描写や余計な日常シーンなど一切なく、

飽きずに読み続けることができます。

読んでいると自分のペースで読み進めているはずが

いつの間にか物語自身に読むペースすら支配され読まされているような錯覚に陥りました。

 

問題点があるとすれば、展開が早く重要な部分でもサラッと流してしまうが故、

キャラクターに愛着が持てない節があるところですね。

 

ただ、アニメではサラッと描かれていたところも掘り下げて丁寧に作られているので、

キャラクターの心情や背景などわかりやすくなっています。

物語をしっかりと楽しみたいのであれば原作を読みつつアニメを見る。

というのが一番なのかもしれません。

 

 

ネットの意見

肯定派

・暗めの作品であるにかかわらず暗さを感じさせないよう笑いがありバランスが取れている

・主人公は不幸が重なっているにも関わらずくじけず進んでいく姿に共感が持てる

・想像の斜めをいく展開が多く見ていて面白い

否定派

・主人公の最初の決意をする場面が軽すぎていまいち納得できない

・主人公の感情が希薄すぎて主人公にイマイチ感情移入できない

・色々過程が飛ばされすぎていて理解できない

 

どちらかというと私は肯定派なので、

否定派の意見について色々見てみました。

否定的な意見の多くは前述しているように展開が速いこと、数コマで話を終わらせてしまっていることでイマイチ作品になじめない方がいるようですね。

展開の速さこそがこの作品を面白くさせる要素であるのと同時に弱点でもある難しいところですね。

そこに関しては、受け取り側の尺度なので仕方ありません。

 

 

 

なななの感想

呪いがテーマということで作品全体を通して暗めに描かれていますが、

所々クスッと笑えるようなところが散りばめられ少年漫画らしい明るさもあり

なかなかにバランスの取れている作品であると思います。

個人的には楽しめた作品です。

まだ未読の方は取り敢えずアニメから見てみると良いのではないかと思います。 

 

 

 

本編はここまでです。

読んでいただきありがとうございます。

 

以降は、PrimeViedo視聴サイト、Kindle購入サイトのリンクになります。

よければ活用してください。

 (画像がリンクになっているので、画像をクリックすることで遷移します。)

 

【アニメ】

 

 

【ラノベレビュー】君が、仲間を殺した数  ~待っていたこれがダークファンタジーだ~

※この記事は2020年11月に掲載した記事の再アップになります。

君が仲間を殺した数」感想と評価 | 赤の魔導書

今までは映像化された知名度の高い作品の記事を書いていましたが、

今回からは映像化していないライトノベルのレビューも書いていこうと思います。

映像化していない作品だと無料で見れるアニメを見てから買うか決める!!ということもできませんしね。

 

なぜそう思ったかと言いますと、私は月に10冊前後の本を読んでいるのですが…

(もちろんラノベだけでなく一般文芸も読みますよ!!)

度々思うんです、「クソっ!外れ引いたわー」と、

何が言いたいかというと面白くない本って結構多いんですよね。

 

何が面白くて面白くないかというのは、

読者の趣味嗜好によるものが大きいと思いますが

中にはそれ以前の問題の作品も存在します。

 

私はお金を出して買う以上一定のレベルは超えていて欲しいと考えています。

最低でも読める文章であって欲しいです。

(私も文章を書くのは得意ではないですが、まぁお金をもらっているわけではないのでご愛敬ということで…)

もちろん文章力以外にも物語の構成やキャラクターが生きているか(たまに全てのキャラクターが同一人物みたいに個性が全くない作品があるので)など大切な要素はあります。

上げていけばキリがないです。

 

と、まぁそんな感じの思いがありまして記事を書いていこうと思ったわけです。

もし買うかどうか迷っている方がいれば何かの指標になれば幸いです。

長くなりましたが、ここからが本題です。

 

今回の作品はタイトルにもありますとおり

君が、仲間を殺した数」です。

なかなか、ショッキングなタイトルですよね。

最近は長いタイトルがブームとなっているのか、長すぎて覚えられない問題が多々発生しますがこの作品はその心配がありませんね(笑)

 

この作品はたまたま書店に寄った時に見つけたのですが、

作品タイトルと帯に書いてあった一文に一目惚れして即買いしてしまいました。

ちなみに帯には「もう心など、要らない」と書いてありました。

ダークファンタジーが好きな私としてはもう内容が気になって気になって、

どんなエグい話が読めるのか期待に胸を膨らませて買うに至りました。

 

 

あらすじ

その日、ある少年が死んだ。
 仲間思いで心優しい、少しだけ照れ屋な……そんな彼はいなくなり、瞳に仄暗い光を宿した狂戦士のような男が、ただ一人立っていた。
 少年の名はスカイツ。彼は、幼馴染たちで構成されたパーティである《塔》を攻略するさなかに、魔の祝福を受けてしまう。
「自分が死ぬと、その場に居合わせた仲間の“能力”と――“存在そのもの”を吸収して、時間を戻し復活する」能力。
 親しい友を意図せず自らの力で「喰らい」、失意の彼は次第に心を擦り減らしていく。そして、その身を削る苦しみの果て、彼は【鬼】へとその身を堕とす。
 《塔》に挑む者たちの異常な日々と、彼らの罪と咎を描くダークファンタジー

 

作品について

「君が、仲間を殺した数」は有象利路氏による新作タイトルで、

2020年10月10日に電撃文庫より刊行されました。

現在(2020年11月)は本巻のみ出版されており、続巻も今後刊行予定とのことです。

作品ジャンルとしてはダークファンタジーに分類されます。 

 

※有象利路氏は「僕たちの青春は覇権を取れない」や「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求」で知られる作家です。

 

 

作品の概要と設定

舞台はもちろん、日本…ではなくお約束の中世ヨーロッパ風になっています。

”塔”と呼ばれるダンジョンが存在する世界でその塔を攻略していくことが物語のメインになります。

 

塔の周辺は、塔の攻略をする”昇降者”や、かれらと取引をする商人などにより人が集まることで街が形成されています。

 

主人公はその街で生まれ育った”スカイツ”という少年。

スカイツは塔を攻略するべく、幼馴染4人と師匠の計6で構成された新米ギルドとして活動しています。

電撃文庫 в Twitter: "孤児院育ちの幼なじみで構成された冒険者の ...

スカイツはある日の探索中の事件をきっかけに、

自らの死をトリガーとして周囲の仲間を喰らい、”技能”を奪い取る力を手に入れます。

この能力は自らの意思に関係なく発動するため作中でスカイツは、

自らが仲間を殺してしまった苦悩や絶望に打ちのめされながらも生き残ったメンバーとともに前に進んでいく様子が描かれています。

 

 

作品の魅力

(※幼馴染との思い出の写真)

 

この主人公が手に入れた力。

「自分の代わりに仲間が死ぬだけ」

…ということであればよかったのですが(よくはない)

主人公の代わりに死んだ人間は存在自体が消えてしまい主人公以外の記憶からは消えてしまいます。

 

この作品の魅力は、自らが大切な仲間を殺してしまった苦悩。

生存している仲間とはかみ合わない、自分だけが覚えている死んだ仲間との記憶。

絶望、疎外感というような苦悩とどのように向き合い成長していくかというところだと思います。

(※死んだ仲間のことを誰も覚えていないことを知ったシーン)

 

このただでさえ重いストーリーを際立たせるのは、

平和な日常のやり取りですね。

主人公の所属する新米ギルドは、殆どが孤児院の幼馴染のため

お互いを思いやるシーンが多く心が温まります。

また、ライトノベル特有の男の子ならニヤッとしてしまうような

サービスシーンもあったりします。

(サービスシーンととらえるかどうかは諸説あります。)

 

実はこの日常シーンただの休憩パートかと思いきや後半の絶望のための最高のスパイスになっています。

読者は、物語前半で感情移入したキャラに死んでほしくない、生きていてほしいと思うことでしょう。その希望はあっけなく打ち砕かれます。

物語後半では、日常パートの平和とかけ離れた悲劇が訪れます。

 

私自身も読んでいてつらかったです。胸が詰まりそうになりました。

前半との落差がひどい。

例えるなら、甘いスイーツを楽しんでいたはずが、

中にデスソースが入っているドッキリを喰らったようです。 

…(´゚д゚`)

 

ネットの意見

肯定派

唯一の希望にすがって戦っていく、その始まり。これは今後が気になる。

最近の流行りに真正面から逆らった一切の容赦がない展開に、有象さんの才能が滲み出る。

 

否定派

えぐさが足りていないのが不満。

・なんとなくタイトル負けしている気がする。

 

まだあまり知られていない作品ということで感想をさがすのも大変でしたが、

正直、面白いという意見が大半でつまらないという意見は見当たりませんでした。

 

否定されている理由も作品が面白くないというよりは、もっと暗い雰囲気にしてほしいという意見があるだけだったので、それだけ作品としての完成度は高いといえると思います。

 

なななの感想

 圧倒的な絶望の中、かすかな希望を追い求めていくような作品が好きな私としては満足できる作品でした。

 

暗い描写ばかりでなくライトノベルらしく明るいパートもありなかなかバランスが取れているのもまた良かったです。

 

いわゆる読者に嫌われがちなご都合主義もなく…いや、主人公を追い詰めるという面ではかなり仕事していましたね。

 

作者の方があとがきで「1巻だけで十分楽しめる内容になっている」と書いているのですが、全く持ってその通りでした。

フラグもほとんど全て本巻だけで回収されていますし、説明不足で疑問が残るということもありませんでした。

 

個人的には久々に熱中して読める作品でした。

ネットの他の意見も悪くはないので駄作ではないことは確かです。

趣味、志向が合う方はぜひ一度読んでみることをお勧めします。

 

 

 

はい。

本編はここまでです。

読んでいただいた方はありがとうございます。

 

【ラノベレビュー】君が、仲間を殺した数  ~待っていたこれがダークファンタジーだ~

※この記事は2020年11月に掲載した記事の再アップになります。

君が仲間を殺した数」感想と評価 | 赤の魔導書

今までは映像化された知名度の高い作品の記事を書いていましたが、

今回からは映像化していないライトノベルのレビューも書いていこうと思います。

映像化していない作品だと無料で見れるアニメを見てから買うか決める!!ということもできませんしね。

 

なぜそう思ったかと言いますと、私は月に10冊前後の本を読んでいるのですが…

(もちろんラノベだけでなく一般文芸も読みますよ!!)

度々思うんです、「クソっ!外れ引いたわー」と、

何が言いたいかというと面白くない本って結構多いんですよね。

 

何が面白くて面白くないかというのは、

読者の趣味嗜好によるものが大きいと思いますが

中にはそれ以前の問題の作品も存在します。

 

私はお金を出して買う以上一定のレベルは超えていて欲しいと考えています。

最低でも読める文章であって欲しいです。

(私も文章を書くのは得意ではないですが、まぁお金をもらっているわけではないのでご愛敬ということで…)

もちろん文章力以外にも物語の構成やキャラクターが生きているか(たまに全てのキャラクターが同一人物みたいに個性が全くない作品があるので)など大切な要素はあります。

上げていけばキリがないです。

 

と、まぁそんな感じの思いがありまして記事を書いていこうと思ったわけです。

もし買うかどうか迷っている方がいれば何かの指標になれば幸いです。

長くなりましたが、ここからが本題です。

 

今回の作品はタイトルにもありますとおり

君が、仲間を殺した数」です。

なかなか、ショッキングなタイトルですよね。

最近は長いタイトルがブームとなっているのか、長すぎて覚えられない問題が多々発生しますがこの作品はその心配がありませんね(笑)

 

この作品はたまたま書店に寄った時に見つけたのですが、

作品タイトルと帯に書いてあった一文に一目惚れして即買いしてしまいました。

ちなみに帯には「もう心など、要らない」と書いてありました。

ダークファンタジーが好きな私としてはもう内容が気になって気になって、

どんなエグい話が読めるのか期待に胸を膨らませて買うに至りました。

 

 

あらすじ

その日、ある少年が死んだ。
 仲間思いで心優しい、少しだけ照れ屋な……そんな彼はいなくなり、瞳に仄暗い光を宿した狂戦士のような男が、ただ一人立っていた。
 少年の名はスカイツ。彼は、幼馴染たちで構成されたパーティである《塔》を攻略するさなかに、魔の祝福を受けてしまう。
「自分が死ぬと、その場に居合わせた仲間の“能力”と――“存在そのもの”を吸収して、時間を戻し復活する」能力。
 親しい友を意図せず自らの力で「喰らい」、失意の彼は次第に心を擦り減らしていく。そして、その身を削る苦しみの果て、彼は【鬼】へとその身を堕とす。
 《塔》に挑む者たちの異常な日々と、彼らの罪と咎を描くダークファンタジー

 

作品について

「君が、仲間を殺した数」は有象利路氏による新作タイトルで、

2020年10月10日に電撃文庫より刊行されました。

現在(2020年11月)は本巻のみ出版されており、続巻も今後刊行予定とのことです。

作品ジャンルとしてはダークファンタジーに分類されます。 

 

※有象利路氏は「僕たちの青春は覇権を取れない」や「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求」で知られる作家です。

 

 

作品の概要と設定

舞台はもちろん、日本…ではなくお約束の中世ヨーロッパ風になっています。

”塔”と呼ばれるダンジョンが存在する世界でその塔を攻略していくことが物語のメインになります。

 

塔の周辺は、塔の攻略をする”昇降者”や、かれらと取引をする商人などにより人が集まることで街が形成されています。

 

主人公はその街で生まれ育った”スカイツ”という少年。

スカイツは塔を攻略するべく、幼馴染4人と師匠の計6で構成された新米ギルドとして活動しています。

電撃文庫 в Twitter: "孤児院育ちの幼なじみで構成された冒険者の ...

スカイツはある日の探索中の事件をきっかけに、

自らの死をトリガーとして周囲の仲間を喰らい、”技能”を奪い取る力を手に入れます。

この能力は自らの意思に関係なく発動するため作中でスカイツは、

自らが仲間を殺してしまった苦悩や絶望に打ちのめされながらも生き残ったメンバーとともに前に進んでいく様子が描かれています。

 

 

作品の魅力

(※幼馴染との思い出の写真)

 

この主人公が手に入れた力。

「自分の代わりに仲間が死ぬだけ」

…ということであればよかったのですが(よくはない)

主人公の代わりに死んだ人間は存在自体が消えてしまい主人公以外の記憶からは消えてしまいます。

 

この作品の魅力は、自らが大切な仲間を殺してしまった苦悩。

生存している仲間とはかみ合わない、自分だけが覚えている死んだ仲間との記憶。

絶望、疎外感というような苦悩とどのように向き合い成長していくかというところだと思います。

(※死んだ仲間のことを誰も覚えていないことを知ったシーン)

 

このただでさえ重いストーリーを際立たせるのは、

平和な日常のやり取りですね。

主人公の所属する新米ギルドは、殆どが孤児院の幼馴染のため

お互いを思いやるシーンが多く心が温まります。

また、ライトノベル特有の男の子ならニヤッとしてしまうような

サービスシーンもあったりします。

(サービスシーンととらえるかどうかは諸説あります。)

 

実はこの日常シーンただの休憩パートかと思いきや後半の絶望のための最高のスパイスになっています。

読者は、物語前半で感情移入したキャラに死んでほしくない、生きていてほしいと思うことでしょう。その希望はあっけなく打ち砕かれます。

物語後半では、日常パートの平和とかけ離れた悲劇が訪れます。

 

私自身も読んでいてつらかったです。胸が詰まりそうになりました。

前半との落差がひどい。

例えるなら、甘いスイーツを楽しんでいたはずが、

中にデスソースが入っているドッキリを喰らったようです。 

…(´゚д゚`)

 

ネットの意見

肯定派

唯一の希望にすがって戦っていく、その始まり。これは今後が気になる。

最近の流行りに真正面から逆らった一切の容赦がない展開に、有象さんの才能が滲み出る。

 

否定派

えぐさが足りていないのが不満。

・なんとなくタイトル負けしている気がする。

 

まだあまり知られていない作品ということで感想をさがすのも大変でしたが、

正直、面白いという意見が大半でつまらないという意見は見当たりませんでした。

 

否定されている理由も作品が面白くないというよりは、もっと暗い雰囲気にしてほしいという意見があるだけだったので、それだけ作品としての完成度は高いといえると思います。

 

なななの感想

 圧倒的な絶望の中、かすかな希望を追い求めていくような作品が好きな私としては満足できる作品でした。

 

暗い描写ばかりでなくライトノベルらしく明るいパートもありなかなかバランスが取れているのもまた良かったです。

 

いわゆる読者に嫌われがちなご都合主義もなく…いや、主人公を追い詰めるという面ではかなり仕事していましたね。

 

作者の方があとがきで「1巻だけで十分楽しめる内容になっている」と書いているのですが、全く持ってその通りでした。

フラグもほとんど全て本巻だけで回収されていますし、説明不足で疑問が残るということもありませんでした。

 

個人的には久々に熱中して読める作品でした。

ネットの他の意見も悪くはないので駄作ではないことは確かです。

趣味、志向が合う方はぜひ一度読んでみることをお勧めします。

 

 

 

はい。

本編はここまでです。

読んでいただいた方はありがとうございます。

 

【ラノベレビュー】魔女と猟犬 〜ゲーム・オブ・スローンズなライトノベル〜

※この記事は2020年11月に公開した記事の再掲載になります。

魔女と猟犬

今回は映像化していないライトノベルレビュー第2段ということで

魔女と狂犬」の記事を書いていこうと思います。

連続でダークファンタジーとジャンルが被ってしまいましたがご了承ください。

 

上の画像を見ていただければわかると思いますが、

表紙のインパクト…凄いですね。

思わず書店で二度見してしまいました。

この素晴らしいイラストはLAM氏が手掛けているとのことです。

私はこの作品でこの方を初めて知ったのですが、個展を開かれるくらい人気の絵師さんみたいですね。 

 

 

あらすじ

使命は、厄災の魔女たちを味方につけること。

農園と鍛冶で栄える小国キャンパスフェロー。そこに暮らす人々は貧しくとも心豊かに暮らしていた。だが、その小国に侵略の戦火が迫りつつあった。闘争と魔法の王国アメリアは、女王アメリアの指揮のもと、多くの魔術師を独占し超常の力をもって領土を拡大し続けていたのだ。
このままではキャンパスフェローは滅びてしまう。そこで領主のバド・グレースは起死回生の奇策に出る。それは、大陸全土に散らばる凶悪な魔女たちを集め、王国アメリアに対抗するというものだった――。
時を同じくして、キャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。レーヴェの王を誘惑し、王妃の座に就こうとしていた魔女が婚礼の日にその正体を暴かれ、参列者たちを虐殺したのだという。
領主のバドは “鏡の魔女”の身柄を譲り受けるべく、従者たちを引き連れてレーヴェへと旅立つ。その一行の中に、ロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、ありとあらゆる殺しの技術を叩き込まれ、キャンパスフェローの暗殺者として育てられた少年だった……。
まだ誰も見たことのない、壮大かつ凶悪なダークファンタジーがその幕を開ける。

 

作品について

「魔女と猟犬」は、カミツキレイニーによる作品で2020年10月21日にガガガ文庫より刊行されました。 

この作品は発売してからTwitterでもかなり話題になっていたのでご存知の方も多いかもしれないですね。

 

この作品PVが公開されているんですが、これまたかっこいいんですよ。(語彙力…)

 

作品の概要と設定

作品の内容は、ほとんどあらすじのままですね。

舞台はファンタジーならお馴染みの中世ヨーロッパですね。

勢力を拡大している大国アメリア、

その策略により崩壊寸前の状態に陥っている小国キャンパスフェローに使える暗殺者である主人公(ロロ)が城主の命令で各地の魔女を集めるというのがメインの物語になります。

本巻のみでいえばキャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェに”鏡の魔女”を引取りに行くが、そこで思いもよらぬ事件に巻き込まれ…とったお話ですね。

 

 

 

作品の魅力

この作品を一言で表すなら

「暗殺者と人々から恐れられる魔女の出会いから始まるダークファンタジー」ですね。

内容は表紙にも引けを取らないほど、質の高いダークファンタジーに仕上がっています。

 

魔女という存在は、実際の御伽噺などでも恐怖や憎悪の対象として

一方的に描かれることの多いですが、

この作品では、あえてその悪の象徴とされる魔女に視点をおいて話を綴ることで

本来語られることのない、魔女なりの正義や主張、悪の象徴とされるようになった経緯について触れることができるようになっています。

 

それにより、正義や悪というものは語り手や受け取り側の主観でしかないというのを実感させられるような作品でした。

 

 

物語本編とはあまり関係ありませんが、この作品には変形武器というものが出てきます。

片手剣がギミックによって鞭になったりするような武器なんですが、

かっこいいですよね。ワクワクしませんか。

男の子なら絶対好きですよね。

作中では変形武器を嘲笑う敵方が出てくるのですが、

変形武器を使用して主人公が敵をボッコにする場面では爽快感がありました。

 

 

ネットの意見

肯定派

手に汗を握らない展開がない

・物語の構成がうまく続きが気になる

否定派

・どこかで見たものの寄せ集め

・読後感が悪く、すっきりしない

 

なななの感想

タイトルでゲーム・オブ・スローンズライトノベルと書いておきながらここまで全く触れずすみません。

なぜタイトルにゲーム・オブ・スローンズとつけたかというと、

私自身が作品を読んでいてゲーム・オブ・スローンズ感があるなぁ〜と思ったからです。

何がというと作品の世界観や固有名詞、各所のイベントなどですね。

ライトノベルというより戦記に近いかなという印象を受けたもので…

すみません、それだけです。

しかしですね。当たらずとも遠からずのようで、カミツキレイニーはまさにこの作品の執筆中にゲーム・オブ・スローンズにどハマりしていたようです。

通りで作中の至るところにゲーム・オブ・スローンズを彷彿とさせるようなものが散りばめられているわけですね。

ゲーム・オブ・スローンズが好きな方はかなり楽しめるかもしれませんね。

これあのシーンのオマージュやんけ!みたいな感じで。

 

読んでみての感想ですが、

昨今の流行である、異世界転生や成り上がり、悪役令嬢などとは違い

流行に逆行したようなテイストの作品でなかなか楽しめました。

 

何より物語構成の仕方がうまいですね。基本的に三人称で描かれていますが、

場面ごとの切り替えが絶妙で続きが気になりすぎて手が止まりませんでした。

読み終わるまで私は1時間程度しかかかりませんでした。

それほどに熱中して読める作品であったといえます。

 

ネタバレはあまりしたくはないのですが、

1巻でほとんどの主要キャラは死んでしまい、主人公サイドの国が壊滅的状態になったところで物語が終わってしまいました。続きが気になって仕方ありません。

続巻が出たら間違いなく書います。

 

 ※ゲーム・オブ・スローンズを見たことがない方はプライムビデオで無料で見ることができるのでぜひ見てみてください。

 

はい。

本編はここまでです。

読んでいただいた方はありがとうございます。

 

【ラノベレビュー】僕たちのリメイク 〜クリエイターを目指す人必見〜

※この記事は11月19日にアップしていたモノですが、削除されてしまっていたので再掲載しました。

ぼくたちのリメイク」10年前に戻ってきたらイージーモードどころか全然ハードモードだった件。|鴉|note

みなさん突然ですが夢はありますか。

寝ている時に見る方じゃありませんよ。

将来実現したいと思っていることです。

 

私は昔、クリエイターになりたいと考えていました。

まぁ親に即反対されて実現することはできませんでしたが、

それでも諦めることができずに影で勉強していたりしました(笑)!!

 

すみません。

しょうもない話でしたね。

 今回紹介する作品ですが、

若き日の夢やワクワクを思い出させてくれた作品「僕たちのリメイク」です。

これまた、結構人気の作品なので紹介されるまでもないわー、

という方も多いと思いますが暇な方はお付き合いください!!

 

 あらすじ

ゲーム会社勤務だった橋場恭也は夢破れて実家に帰ることになったのだが、目が覚めるとそこは10年前だった……。なぜか諦めたはずの芸術系大学に通っていて、しかも憧れだった後のクリエイターたちが同級生に!?

 

作品について

「僕たちのリメイク」は木緒なち氏による作品で初巻は2017年3月にMF文庫Jより出版され、

現在はスピンオフを含め9冊刊行されています。

 

この作品は「このライトノベルがすごい」において2018年版では文庫部門6位、

2019年版では7位に最新の2020年版では18位にランクインしています。

 

コミカライズもされており2018年11月より「月刊少年シリウス」にて連載されていました。

2019年の12月にはアニメ化企画の進行が発表されました。

MF文庫J『ぼくたちのリメイク』特設サイト

作品の概要と設定

2016年底辺ゲームメーカーに勤める主人公(橋場恭也)28歳。

無能な社長に振り回されながらディレクターとしての日々を送っていましたが、

社長があまりにも無能すぎて会社は倒産しめでたく無職になり実家に帰省することになります。

同年代で活躍するクリエイターをみて自身との格差に絶望する主人公でしたが、

しかし、どういう訳か2006年にタイムスリップし自身も18歳に戻っていることに気がつきます。

恭也は自らの人生をリメイクするべく、当時は進学を諦めた芸術大学に通うことを決意します。

そこで出会った天才たちと共にクリエイターになるため、忙しくも充実した大学生活を送るというのがメインストーリーになります。

 

基本的にネタバレはしたくないので、1巻の内容だけさらっと書いておきますが、

1巻では授業の一環で映像作品を作る主人公ですが、癖のある天才たちや連発するトラブルに頭を悩ませつつも、何とか持てる限りの力を駆使し作品を作り上げるといった内容でした。

 

作品の魅力

私だけかもしれませんが夢に向かってただがむしゃらに努力する姿って憧れませんか?

私はそういう姿を見ていると応援したくなってしまうんですよね。

絶体絶命のトラブルを主人公の起点と努力によって解決するシーンはグッときました。

そういった才能がないなりに努力を積み重ね主人公が成長していくような王道的な物語が好みの方は間違いなく気にいるはずです。

正直、この作品を読まないのはもったいないです!!

(当然、好きじゃない!!という人もいると思いますが、仕方ないですね。)

 

作品全体を通してどこか「さくら荘のペットな彼女」と似通う部分が多いというのは少し気になりました。

 

作品の舞台が2006年ということで、本編にはいくつか時事ネタが書かれていたりします。

当時を知る人も知らない人も2006年というその当時の空気感を楽しむことができるというのもまた1つの魅力だと思います。 

 

ネットの意見

肯定派

・2006年を知っている人には刺さるかもしれない

・癖のあるキャラクターが魅力的で読んでいて楽しい

・10年のアドバンテージを持った主人公が知識を活用してトラブルを解決していく姿を見ていると楽しい。

否定派

・全体的に話がうまく纏まっているが、凡庸で読み応えに欠ける点が否めない。

・ストーリーが薄い。

・キャラクター数ただでさえ多いのにキャラの掘り下げができていないせいで愛着が持てない

 

辛口な意見も結構ありますね。

 

私としては、ラノベにありがちな展開もクリエイターというコンセプトを生かしてうまく話を展開できていてよくできた作品だと思いましたが…

なななの感想

初めにも書きましたが、本作は成長と共に忘れてしまった夢や情熱を思い出させてくれる作品でした。

もうほんとに、何とも言葉にしにくいですが…年老いた私にとって、

こう心にグサグサと刺さるお話でした。

あぁ、どうして私の人生はこうなってしまったのでしょう。

かなうのならばこの作品のように人生をリメイクしたいです。

 

本編の内容とは関係ないところではあるんですが、あらすじって誰が書いてるんでしょうか?

Kindleのサイトでは修正されていましたが、実際の文庫本のあらすじでは内容と異なることが書かれていてちょっと心配になりました。

本編が面白いだけにちょっとがっかりですね。

あらすじは小説を購入する上で重要な指標だと思うんですけどね…。

 

結構肯定的な事ばかり書いてきましたが、気になるところがないわけではないです。

それがどこかというと、この作品の起点でもある10年時間が巻き戻ったという事。

主人公は周りの人間よりも10年間というアドバンテージがあるわけですよ!

その設定がほとんどいかせていないのがもったいなく感じました。

いや、全くいかしていないわけでは無いですが、本当に必要な設定であったかと問われると、

うーん…という感じです。

もはやリメイクするという設定自体いらないのではないか…と思わなくも無いですね。

(人によって捉え方が違うので、逆の意見の方もいらっしゃると思います。あくまで私が見た感想なので…)

ぼくリメ』がアニメ化企画進行中! | アニメイトタイムズ

 

はい。

本編はここまでです。

読んでいただいた方はありがとうございます。

以降は、関連作品のリンクを貼っておきます。 

 

【ラノベレビュー】好感度が見るようになったんだが、ヒロインがカンストしている件

小牧亮介【好感度カンスト】一、二巻発売中! コミカライズ一巻6/9(火)発売!! (@wx_zabe) | Twitter

今回紹介する作品は「好感度が見えるようになったんだが、ヒロインがカンストしている件」です。

タイトルがなげぇよ。

 

実はこの作品読んだのは1年以上前です。

1年前この作品を読んだ時、

人生観を変えるほど衝撃を受けたのを今でも覚えています…。

 

決していい意味ではないです。

こんな中学生の落書きのような作品でも商品になるのかぁって感じでした。

 

今までは、なんだかんだ楽しく読める作品だけを紹介していましたが、

残念な作品の紹介も悪くないかなということで今回記事にしようと思いました。

 

正直、この作品を読んでいた時間は無駄でした。

なぜ私はこんな時間を無駄にするような作品を読んでいるんだと考え込んだ理して余計に時間が無駄になった記憶があります。(完全に自己責任ですね)

 

興味が失せた方はここでブラウザバックしていただいて大丈夫です。

 

 

作品について

「好感度が見えるようになったんだが、ヒロインがカンストしている件」は

小牧亮介氏による作品で元々小説投稿サイト「カクヨム」にて2018年7月から連載されていた作品です。

(2019年10月以降更新は止まっていますが、まだ連載中のようです。)

2019年3月に角川スニーカー文庫から刊行されました。

現在は2巻まで刊行されコミカライズもしているようです。

 

あらすじ

ピンクの蚊に刺され、“他人の自分に対する好感度”が見えるようになった高校生・桐崎冬馬。知り合いは30、友達は70が普通なのに、美少女四天王・九条桃華の数値は100と最初からカンスト。「友達になってほしい」という桃華とメッセージのやりとりや放課後デートを重ねる。冬馬が何か失敗しても、彼女を待たせても常に好感度は安定の100。真面目で照れ屋な彼女に惹かれていく冬馬だったが、桃華の親友であるツンデレ女子・如月結衣の数値が-50、さらにモテ女子雪村希の数値は-100! とはいえ結衣とは桃華の話題で盛り上がり、遠足でぼっちになった希と過ごしたりして、彼女たちの好感度も爆上がりに!? 
ヒロインに愛され度限界突破!ほんわか甘々ラブコメ堂々開幕!

 

 

作品の概要と設定

あらすじを見てもわかるかと思いますが、

設定があまり面白くないですね。何というか陳腐すぎます。

ギャルゲーか!!って感じですね。

いや、まぁシンプルな設定でも面白い作品を書く人もいますからね。

うん。

しかし、この作品はそうは行きませんでした!!残念です。

 

 

内容は、ほとんどあらすじのままですね。

好感度が数値として見えるようになった主人公(桐崎冬馬)が

通っている高校の女の子とイチャイチャする作品です。

それ以上でもそれ以下でもない。

まぁ、ラブコメですから当然ですが。

 

いきなり設定をディスりましたけど、

この作品ネットでも結構叩かれているんですよね。

設定が陳腐というだけ叩かれているのであればどれほど良かったか…

 

作品全体を通して言えることですが、

テンプレ、テンプレ、テンプレ。

何もかもがテンプレで出来上がっているような面白味のない作品です。

どこかで見たことあるようなキャラクターに

先が読みやすいテンプレ展開…

 

個性のかけらもない。

文章ですらどこかのサイトから引用してつなぎ合わせただけのようで、

もうなんていったらいいんでしょうか。

文章から何というか作者の顔が見えません。

 

死んでいる設定を補うだけの面白い文章も魅力的なキャラもいない…。

これはもうおしまいです。

(概要の説明のはずが批判しているだけでした。失礼。)

 

作品の魅力

あえて挙げるのとすれば、

あらすじの最後の部分「ほんわか甘々ラブコメ」というところですね。

甘々なのは内容なのか設定なのか

はたまたこれでも売れると思った考えなのかは知りませんが。

ほんわかしているのは確かです。とても平和な内容でした。

 

キャラも物語もテンプレの詰め合わせ、

文章でさえどこかからお手本の文を寄せ集めたような作品なので読書初心の方には

お勧めできるかもしれません。

テンプレだとどんなキャラがいるのか物語はどのように展開されるのか

嫌われにくい標準的な文章はどんなものか学ぶことはできるのではないかと思います。

難しい文法が使われていたりもしませんし、割とスラスラ読めると思います。

 

あとは、イラストは結構綺麗なので文字が多い画集として楽しむこともできるかと…

ネットの意見

肯定派

・イラストはきれいだった

最近心が疲れているなって人に良い作品です

ブコメ。ほどよく甘いストーリーだった

否定派

・展開が早すぎるし、ヒロインが主人公に惚れる理由も軽い、臭いセリフは垂れ流しだし、キャラのアクが強く、色々と説明不足

下手なWEB小説と同レベル誤字が多すぎるよくこれで書籍化できたなと思わされる程粗末な作品でした

文章の薄っぺらさが、ひどすぎる

 

私は基本的にアニメでもドラマでも、もちろん小説でもそうですが。

作品を貶すのはあまり好きではありません。

確かにせっかく、お金や時間をかけているのですから満足のいくものが見たいと思うのは当然の権利です。理解できます。

ただ、1冊の本でもいろんな方が努力しています。

作者さんは当然のこと出版社の方にイラストレーターさん、印刷業者の方、みなさんの手に届くためには書店が必要ですし当然そこで働く従業員の方もいます。

他にもいろんな方が関わっているはずです。

ちょっとあげただけでもこのくらい出てきますからね。

たった1冊をばかにするだけでもこれだけ多くの方を傷つける可能性があると考えると私にはできません。

なななの感想

上記で少しいいことを書いた気がしていますが、

正直この作品を擁護するのは難しいですね。

作品の作者さんや出版に関わった方やこの作品を好きな方には大変申し訳ないと思いますが、

商品としてのレベルに到達していないと思います。

 

なんていうんでしょうか。

私は原作、(今回の場合は「カクヨム」)は未読なので詳細は分かりませんが、

文庫化するにあたりWeb版のものを何も手入れしていないんじゃないでしょうか。

300ページの文庫本として最適化されていない気がします。

もしかしたらWebで短話ずつ読むのであれば面白いのかもしれませんが…

 

 

 

 

この作品がうまくいかなかった理由はいくつかあるのですが、

1・尺不足、

2・設定が意味を無していないこと

3・心理描写の不足

主にこの3つだと思います。

 

1については、1冊300ページ前後しかないのにキャラクターを出しすぎたことが原因ですね。

本巻では四天王(メインヒロイン含む)と呼ばれる美少女が4人に加え

主人公の幼なじみ(2人)も登場しています。

どう考えても初巻に登場させるにはキャラクターが多すぎます。

ただでさえ説明が多くなる初巻。

ブコメですから、各キャラの掘り下げもしますしもうハチャメチャですよ。

各キャラの魅力を引き出すために個別エピソードを書いてメインのストーリーも1冊にまとめるとか無理ゲーですよ。

結果、内容が全体的に薄っぺらくなってしまっています。

キャラと話を詰め込みすぎですね。

せっかく考えた内容ですから、

できるだけ入れ込みたいのは分かりますが、

情報過多な作品では読者は共感してくれませんからね。

キャラを絞って書くことで分割すれば巻数も稼げますし、

出版社的にも作者的にも良かったんじゃないでしょうか?

 

2についてですが、

好感度が見えるという設定が全くと言っていいほど息をしていません。

もはや必要があったのか疑問に思うほどです。

時々思い出したようにでてきますけど、

ほんとに言い訳程度…

数値が増減するシーンがあったりしますが、

増減する量も曖昧で作者が適当に書いているだけといった感じ。

メインヒロインの好感度がカンストしているという印象ずけ以外仕事していません。

作者の方はそれで良しとしたのかもしれませんが、読者としてはそうはいきません。

設定として存在している以上、意味を持たせて欲しいです。 

それか、この設定自体なかった方が余計な説明文も入りませんし、

内容的にもスッキリしたのではないかな?とか思ったり…

 

3に関しては特に主人公が酷いです。

圧倒的に描写が足りていない。行動原理が不明すぎて不快ですらありました。

もう登場キャラのキャラほとんどが何を考えているのかわかりません。

小説としてこれはダメだと思うんですけどね。

 

 

趣味で書いている分には特に文句もないのですが、

金銭が絡んでくると話は変わりますからね。

読者は一定のレベルの作品を期待しますから。もう少し出版社側も考えて出版していただきたかった。

 

まとめると、この作品は楽しむために読む作品としては向いていないです。

直球に言うと面白くなかったです。

もし購入を検討されている方は、時間と金をドブに捨てる覚悟で買うことをお勧めします。

 

まぁ、私は2巻もかって読んでみようと思います。

実際に買いもせず、読むことすらなく評価はしたくないので…

 

 

ということで今回は以上になります。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

  

 

 

 

【読書レビュー】かか 〜得体の知れない感情に胸を貫かれた〜

今回紹介する作品は「かか」という小説です。

ライトノベルではないですが、最近読んでみて面白かったので記事にしてみました。

もし良ければお付き合いください。

この作品、書店で表紙に惹かれて手にとってみたのですが、

なんと20歳でデビューした作家が書いているというではないですか、

私と歳が近いだけにどんな作品なのか気になってしまい購入しました。

 

読んでみた感想ですが一言、「これは化物」ですね。

面白い、面白くないという評価ができない。いや、そんな言葉では評価していけないように感じました。

まぁ、結果的にいえば面白かったのですが、、

 

なんといえばいいのでしょうか、人間の心情というものをそっくりそのまま文章に書き起こしたような…なんとも表現が難しい作品でした。

 

 

作者について

宇佐見 りん氏は大学在外学中に本作「かか」で文藝賞を受賞。

2020年には「推し、燃ゆ」が刊行されました。

あらすじ

主人公の「うーちゃん」は母親が心の病を患ってしまったことにより悩んでいる。

大好きだった母親が豹変していく…酒を飲むたびに暴れることを繰り返す。

ボロボロの母、自分勝手な父親、自分が女性として生まれたことへの苦悩。

あらゆる感情がごちゃごちゃになってどうしようもなくなったうーちゃんは

旅へでる。

 

といった感じです。

うーん、イマイチあらすじを伝え切れていない気もしますが。許してください。

 

作品について

「かか」は河出書房新社より刊行された単行本です。

ページ数は115ページと少ないですが、その中で登場するうーちゃんを中心とした家族や出来事は色濃く読んでいくにつれ胸焼けをするほどの生々しさがあり、たった115ページとは思えないほどの重量感があります。

 

ページ数が少ないから1、2時間で読めるだろうと楽観して読み始めると痛い目に遭います。

 

内容・魅力について

本作の最大の特徴といえるのは特殊な文体ですね。

通常の文章とは違い方言と口語が入り混じる文章になっています。

 

あえて方言などを使用して描かれた作品は他にもありますが、

普通は文章にリズム感をつけて読者に読ませやすくするのを目的としていることが多いでしょう。

しかし、この作品ではあえてそのリズムを崩してきています。

 

読者が読みやすいというリズムを崩すことによって「かか」の世界観や主人公のうーちゃんの心情をうまく表しています。

はっきりいって、始めの頃は読みにくくて仕方ありませんでした。

しかし、進めるうちにその読みずらさは不思議と消えていき、

うーちゃんの心情を自分がそのまま感じていることなのではないかと錯覚させられるような不思議な感情に陥りました。

 

作中には「おまい」(おまえ)がでてきます。

何を言いたいかというと本作は二人称で書かれています。

読者自身もうーちゃんの家族の一員としてその生々しい本作を感じることができるようになっています。この仕掛けがまた胸に突き刺さります。

 

もし本作を読まれるのでしたら「おまい」とは誰のことなのか、

うーちゃんはなぜ旅に出なければいけなかったのかということに焦点を当てて読んでいただきたいです。

 

 

なななの感想

上記でも少し書きましたが、方言や口語を活用した文章で読みにくく感じましたが、

読後はその読みにくさすら愛おしいと感じました。

それはもう、読み終わった時に知らぬうちに涙を流してしまったほどに…。

 

ページ数は少ないですが、そのページの中には濃密で凝縮された得体の知れないもにを感じました。

 

本のおびに「子供の頃に吐くほど泣いた、あの日の記憶が息を吹き返した。味や匂いのする文章だった」と書かれているのですが、まさにその通りで文字1つ1つに人間味を感じるモノでした。

 

読み終わってすぐにこの記事を書いているのですが、正直ちゃんとしたことが書けているのか自信がありません。

それほど、衝撃的で得体の知れない作品でどうしてもこの感情を文字にすることができません。

ぜひ、この感情を知っていただきたい。

読んでみて損はしない作品かと思います。

 

 

 

今回はここまでです。

読んでいただいた方はありがとうございます。

下記に宇佐見 りん氏のもう一つの作品である「推し、燃ゆ」の商品リンクを貼っておきますのでご活用ください。