【ラノベレビュー】魔女と猟犬 〜ゲーム・オブ・スローンズなライトノベル〜

※この記事は2020年11月に公開した記事の再掲載になります。

魔女と猟犬

今回は映像化していないライトノベルレビュー第2段ということで

魔女と狂犬」の記事を書いていこうと思います。

連続でダークファンタジーとジャンルが被ってしまいましたがご了承ください。

 

上の画像を見ていただければわかると思いますが、

表紙のインパクト…凄いですね。

思わず書店で二度見してしまいました。

この素晴らしいイラストはLAM氏が手掛けているとのことです。

私はこの作品でこの方を初めて知ったのですが、個展を開かれるくらい人気の絵師さんみたいですね。 

 

 

あらすじ

使命は、厄災の魔女たちを味方につけること。

農園と鍛冶で栄える小国キャンパスフェロー。そこに暮らす人々は貧しくとも心豊かに暮らしていた。だが、その小国に侵略の戦火が迫りつつあった。闘争と魔法の王国アメリアは、女王アメリアの指揮のもと、多くの魔術師を独占し超常の力をもって領土を拡大し続けていたのだ。
このままではキャンパスフェローは滅びてしまう。そこで領主のバド・グレースは起死回生の奇策に出る。それは、大陸全土に散らばる凶悪な魔女たちを集め、王国アメリアに対抗するというものだった――。
時を同じくして、キャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。レーヴェの王を誘惑し、王妃の座に就こうとしていた魔女が婚礼の日にその正体を暴かれ、参列者たちを虐殺したのだという。
領主のバドは “鏡の魔女”の身柄を譲り受けるべく、従者たちを引き連れてレーヴェへと旅立つ。その一行の中に、ロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、ありとあらゆる殺しの技術を叩き込まれ、キャンパスフェローの暗殺者として育てられた少年だった……。
まだ誰も見たことのない、壮大かつ凶悪なダークファンタジーがその幕を開ける。

 

作品について

「魔女と猟犬」は、カミツキレイニーによる作品で2020年10月21日にガガガ文庫より刊行されました。 

この作品は発売してからTwitterでもかなり話題になっていたのでご存知の方も多いかもしれないですね。

 

この作品PVが公開されているんですが、これまたかっこいいんですよ。(語彙力…)

 

作品の概要と設定

作品の内容は、ほとんどあらすじのままですね。

舞台はファンタジーならお馴染みの中世ヨーロッパですね。

勢力を拡大している大国アメリア、

その策略により崩壊寸前の状態に陥っている小国キャンパスフェローに使える暗殺者である主人公(ロロ)が城主の命令で各地の魔女を集めるというのがメインの物語になります。

本巻のみでいえばキャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェに”鏡の魔女”を引取りに行くが、そこで思いもよらぬ事件に巻き込まれ…とったお話ですね。

 

 

 

作品の魅力

この作品を一言で表すなら

「暗殺者と人々から恐れられる魔女の出会いから始まるダークファンタジー」ですね。

内容は表紙にも引けを取らないほど、質の高いダークファンタジーに仕上がっています。

 

魔女という存在は、実際の御伽噺などでも恐怖や憎悪の対象として

一方的に描かれることの多いですが、

この作品では、あえてその悪の象徴とされる魔女に視点をおいて話を綴ることで

本来語られることのない、魔女なりの正義や主張、悪の象徴とされるようになった経緯について触れることができるようになっています。

 

それにより、正義や悪というものは語り手や受け取り側の主観でしかないというのを実感させられるような作品でした。

 

 

物語本編とはあまり関係ありませんが、この作品には変形武器というものが出てきます。

片手剣がギミックによって鞭になったりするような武器なんですが、

かっこいいですよね。ワクワクしませんか。

男の子なら絶対好きですよね。

作中では変形武器を嘲笑う敵方が出てくるのですが、

変形武器を使用して主人公が敵をボッコにする場面では爽快感がありました。

 

 

ネットの意見

肯定派

手に汗を握らない展開がない

・物語の構成がうまく続きが気になる

否定派

・どこかで見たものの寄せ集め

・読後感が悪く、すっきりしない

 

なななの感想

タイトルでゲーム・オブ・スローンズライトノベルと書いておきながらここまで全く触れずすみません。

なぜタイトルにゲーム・オブ・スローンズとつけたかというと、

私自身が作品を読んでいてゲーム・オブ・スローンズ感があるなぁ〜と思ったからです。

何がというと作品の世界観や固有名詞、各所のイベントなどですね。

ライトノベルというより戦記に近いかなという印象を受けたもので…

すみません、それだけです。

しかしですね。当たらずとも遠からずのようで、カミツキレイニーはまさにこの作品の執筆中にゲーム・オブ・スローンズにどハマりしていたようです。

通りで作中の至るところにゲーム・オブ・スローンズを彷彿とさせるようなものが散りばめられているわけですね。

ゲーム・オブ・スローンズが好きな方はかなり楽しめるかもしれませんね。

これあのシーンのオマージュやんけ!みたいな感じで。

 

読んでみての感想ですが、

昨今の流行である、異世界転生や成り上がり、悪役令嬢などとは違い

流行に逆行したようなテイストの作品でなかなか楽しめました。

 

何より物語構成の仕方がうまいですね。基本的に三人称で描かれていますが、

場面ごとの切り替えが絶妙で続きが気になりすぎて手が止まりませんでした。

読み終わるまで私は1時間程度しかかかりませんでした。

それほどに熱中して読める作品であったといえます。

 

ネタバレはあまりしたくはないのですが、

1巻でほとんどの主要キャラは死んでしまい、主人公サイドの国が壊滅的状態になったところで物語が終わってしまいました。続きが気になって仕方ありません。

続巻が出たら間違いなく書います。

 

 ※ゲーム・オブ・スローンズを見たことがない方はプライムビデオで無料で見ることができるのでぜひ見てみてください。

 

はい。

本編はここまでです。

読んでいただいた方はありがとうございます。